今回は、私も保有している「純金上場信託(現物国内保管型)」(1540)について取り上げます。
世界的なインフレや地政学リスクを背景に、これまで「有事の金」として大きく上昇してきた金相場ですが、直近では一転して厳しい下落局面に直面しています。
「このまま下がり続けるのか?」「今が買い場なのか?」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、週足チャートから読み解くテクニカルな現状と、最近の下落理由などを考察してみました。
「純金上場信託(1540)」の週足チャート


まずは、純金信託(1540)の週足チャートの動きから振り返ってみます。相場の流れは大きく3つのフェーズに分けることができます。
2024年〜2025年半ば
この時期、価格は10,000円台前半から15,000円付近に向けて、非常に綺麗な右肩上がりのトレンドを形成していました。
短期(5週)、中期(25週)、長期(50週)の移動平均線が下から順に綺麗に並ぶ「パーフェクトオーダー」が完成しており、押し目らしい押し目を作らない理想的な上昇期でした。
2025年秋〜2026年初頭
その後、市場はさらに上昇していきました。価格は大陽線を連発して一気に20,000円を突破し、2026年初頭には一時25,000円の大台をも超える歴史的高値を記録しました。
この局面では出来高も大きく膨れ上がっており、世界的な不安感から多くの資金が金市場へ流れ込んでいたことが分かります。
現在(2026年6月)
しかし、「山高ければ谷深し」の格言通り、現在は20,000円付近まで大きく調整しています。
テクニカル面で最も警戒すべきは、短期(5週)移動平均線が急角度で下向きに転じ、中期(25週)移動平均線を上から下へと突き抜ける「デッドクロス」を形成した点です。
これは、中短期のトレンドが明確に下落へ転換した強いサインであり、現在は出来高も細り、市場参加者が様子見姿勢を強めていることが窺えます。
なぜ下がっているのか?

チャートの綺麗な下落トレンドにはどのような理由が隠れているのでしょうか。その理由を探ってみました。
FRBのタカ派転換とドル高進行
最大の要因と考えられるのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派(利上げに積極的)な姿勢へと舵を切ったことです。
年内に複数回の利上げが行われるとの観測が強まったことで米ドルが急買されました。結果として、「金利を生まない資産」である金(ゴールド)は相対的な魅力が低下し、世界的な売り圧力が強まりました。
地政学リスクの後退
これまで金価格を押し上げていた中東情勢をはじめとする地政学リスクに、緩和の兆しが見え始めました。
米国とイランの和平合意への期待などが報じられ、市場の緊張感が和らいだことで、これまで「安全資産」として価格に乗っかっていたプレミアム(上乗せ)が剥ぎ取られる形となりました。
短期投機筋による利益確定売り
最高値、約25,000円を付ける原動力となったのは、短期の投機資金でした。
しかし、上記のような環境変化をきっかけに彼らが利益確定の売りに転じたため、売りが売りを呼ぶ形で下落スピードが加速しています。
今後の展望と戦略
テクニカルとファンダメンタルズを踏まえた上で、私たちはこれからどう動くべきでしょうか。今後の戦略の鍵を握るのは、チャート上の「50週移動平均線(オレンジ色)」と「20,000円の心理的節目」ではないでしょうか。
現在、価格はこの2つの強力なサポートライン(下値支持線)が交差する大注目のエリアに差し掛かっていると言えます。ここから考えられるシナリオは2つです。
- 反発シナリオ
- 50週線および20,000円大台で下げ止まれば、長期的な上昇トレンドは維持されていると判断でき「押し目買いチャンス」となりそうです。
- 下抜けシナリオ
- この防衛線を明確に下抜けてしまった場合、下落が加速し、長期トレンドそのものが本格的な下落相場入りするリスクが高まるでしょう。
このような調整局面において、最もやってはいけないのは「恐怖に駆られた狼狽売り」や「一発逆転を狙った全力買い」です。
金(ゴールド)投資の本質は、ポートフォリオのインフレヘッジ(資産防衛)にあるはずです。
私のように投資方針を「長期・分散・積立」としているのであれば、現在の調整は悲観する場面ではなく、むしろ平均取得単価を下げるチャンスになると考えています。
最後に
純金信託(1540)は今、長期的な岐路に立たされています。短期的にはまだ下落リスクが残るものの、安全資産としての金の価値が完全に失われたわけではありません。
私は投資資産に占める金(ゴールド)の割合を5%としているのですが、この割合が大きく下がった時には新たに追加購入しようと考えています。
ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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