「日経平均株価が下落傾向でパッとしないのに、保有している高配当株はなぜか上昇している……」
最近の株式市場を見ていて、そんな現象に気づいた方も多いのではないでしょうか。
実際、足元の日経平均株価はハイテク株の売りが広がり、調整局面を迎えています。
その一方で、高配当株の代表格である「日経高配当50ETF(1489)」などのETFは、株価指数全体の下落をよそに逆行高を見せ、7/27に上場来最高値を更新しました。
相場全体が冴えないなかで、なぜ高配当株がこれほど強いのか。今回はその背景と、実際に私が5月に購入した個別の高配当株8銘柄の運用成績を振り返ります。
なぜ日経平均が下がる中で高配当株は上がるのか?

この逆行高を生み出した最大の要因は、市場における「セクターローテーション(資金の逃避と移動)」です。
日経平均株価は、東京エレクトロンやアドバンテストといった半導体・大型ハイテク銘柄の影響を強く受ける構造になっています。
現在、グローバルなハイテク株安によってこれらの銘柄から資金が抜けており、これが日経平均を押し下げています。
しかし、投資家はその資金を市場から完全に引き揚げるのではなく、比較的割安で、下値が堅く、持っているだけで配当が得られるバリュー株(高配当株)へと移し替えているのです。
金融、商社、エネルギー、内需といった安定した事業基盤を持つ高配当銘柄に資金が流れ込んでいるため、日経平均が下落する中でも高配当株は上昇を続けるという現象が起きています。
5月に購入した高配当株8銘柄の現在地

では、このセクターローテーションは個別の銘柄にどう影響しているのでしょうか。市場全体の波乱をよそに、5月に購入した8銘柄の取得単価と直近(7/27時点)の株価を比較し、その背景にある要因を整理してみました。
① 日本郵船 (9101) ・・・ +14.36%
- 株価推移
- 5,313円 ⇒ 6,076円(+763円)
- 上昇の背景
- 中東情勢への懸念等から喜望峰ルートへの迂回が常態化し、世界的な海上コンテナ運賃が高止まりしています。運賃収入の多くがドル建てのため、歴史的な円安水準が利益を力強く押し上げています。
② 丸井グループ (8252) ・・・ +9.66%
- 株価推移
- 2,728円 ⇒ 2,991.5円(+263.5円)
- 上昇の背景
- 小売業としての側面に加え、エポスカードを中心としたフィンテック事業の高い収益性が評価されています。インバウンド消費の回復や、積極的な自社株買い等の株主還元姿勢も好感されています。
③ ジャックス (8584) ・・・ +9.29%
- 株価推移
- 3,445円 ⇒ 3,765円(+320円)
- 上昇の背景
- 日銀の政策修正に伴う金利上昇局面において、信販・クレジットカードなどの金融セクターは利ざや改善の期待から資金が集まりやすい傾向があります。増配を継続する高配当株としての見直し買いも入っています。
④ 積水ハウス (1928) ・・・ +8.79%
- 株価推移
- 3,345円 ⇒ 3,639円(+294円)
- 上昇の背景
- 国内ではインフレ下でも価格転嫁がしやすい富裕層向けの注文住宅が底堅く推移。また、米国を中心とした海外事業が利益を牽引しており、円安による業績上振れ期待が株価を支えています。
⑤ 芙蓉総合リース (8424) ・・・ +7.67%
- 株価推移
- 4,198円 ⇒ 4,520円(+322円)
- 上昇の背景
- 人手不足やインフレに対応するための企業の合理化・省力化投資が活発化しており、リース需要が堅調。上場企業屈指の連続増配銘柄として、長期的なインカムゲインを狙う投資家からの買いが途切れません。
⑥ G-7ホールディングス (7508) ・・・ +5.67%
- 株価推移
- 1,376円 ⇒ 1,454円(+78円)
- 上昇の背景
- 物価高により消費者の節約志向が高まる中、「業務スーパー」への生活防衛ニーズが強く業績が安定。「オートバックス」による車検・メンテナンス需要の固さも、ディフェンシブ銘柄としての強みです。
⑦ NTT (9432) ・・・ +3.07%
- 株価推移
- 150円 ⇒ 154.3円(+4.3円)
- 上昇の背景
- 通信インフラという強固な収益基盤を持つため、相場全体が不安定な時の「資金の逃避先」として機能しています。下値リスクが限定的であり、着実な増配への期待から底堅く推移しています。
⑧ アステラス製薬 (4503) ※下落銘柄 ・・・ -1.05%
- 株価推移
- 2,234円 ⇒ 2,210円(-24円)
- 下落の背景
- 主力薬のパテントクリフ(特許切れ)が迫る中、莫大な研究開発費負担や次世代の新薬開発に対する不透明感が、医薬品セクター全体の株価の上値を重くする要因となっています。
「分散投資」の本当の力

日経平均の牽引役だったハイテク株が崩れても、円安メリットを受ける海運が伸び、金利上昇メリットを受ける金融が支え、生活防衛ニーズが内需を底上げする。
特定のセクターに偏らずに銘柄を購入したことが、この相場の中でも良い成績を生み出した最大の要因ではないでしょうか。
「長期・分散・積立」投資は、決して「ただ色々な株を適当に買うこと」ではありません。
異なるセクターの銘柄を購入することで、結果的に異なる経済環境(インフレ、金利上昇、円安など)でそれぞれ強みを発揮する形になります。
最後に
日経平均株価は約1ヵ月前の6/22に、史上最高値の72,831.73円を付けていました。それが本日7/28は10,000円程度安い62,000円台で推移しており、15%近く下落してしまっています。
逆に高配当株は日経平均が最高値の頃は冴えない状況でしたが、日経高配当50ETF(1489)の値動きからも分かるように、現在は高値となっています。
何が言いたいのかというと、株式投資において「当たり前だろ!」と言われるかもしれませんが「安い時に買う」ということです。「高値になった銘柄を追いかけてはいけない」ということではないでしょうか。
ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。
投資については自己責任でお願いします。
紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
どなたかの参考になれば嬉しいです。


コメント