私は高校生の時、アルバイトをしていた経験があります。
当時の時給は680円程度だったと記憶していますが、それでも1ヵ月の給料は数万円にはなっていたので、それまでの金銭感覚からすると衝撃を受けたのを覚えています。
月日が経って社会人となり、初めての給料をもらった時にまた、衝撃を受けました。それは総支払額と手取り額の差です。
今回は、働いて得たお金(総支給額)から引かれる「謎のお金」の行方と、それが私たちの暮らしとどうつながっているのかを解き明かしていきましょう。
給料明細のふたつの数字「総支給額」と「手取り額」

まず押さえておきたいのが、給料明細に書かれているお金の区別です。
- 総支給額(そうしきゅうがく)
あなたが働いた時間×時給で計算された、本来もらえるはずの「額面(がくめん)とよばれる」金額。 - 手取り額(てどりがく)
総支給額から税金や社会保険料などを引いたあと、実際にあなたの銀行口座に振り込まれる「手取りとよばれる」金額。
この「総支給額」から「手取り額」の間に引かれるお金には、大きく分けて「税金」と「社会保険料」の2つの種類があります。
引かれるお金「税金」

アルバイトの給料から引かれる代表的な税金が「所得税(しょとくぜい)」です。
(※年間の稼ぎが多くなると、住んでいる街に払う「住民税」も関係してきます)
なぜ働いたお金を国に払うの?
所得税は、あなたが稼いだお金(所得)に対してかかる国の税金です。
「頑張って働いたのに国に取られるなんて損だ!」と思うかもしれません。しかし、もし誰も税金を払わなくなったら、私たちの街はどうなるでしょうか?
- 道路に穴があいても修理されない
- 火事になっても消防車が来ない
- 事故や事件にあっても警察が助けてくれない
- 公園や図書館などの施設が使えなくなる
税金とは、いわば「私たちがみんなで安全・快適に暮らすためのサブスク費用(会費)」のようなものです。
あなたが納めた所得税は、警察・消防・道路の整備・学校の教育など、社会全体を支えるために使われています。
引かれるお金「社会保険料」

もうひとつ、条件を満たすと給料から引かれるのが「社会保険料」です。
これには主に「健康保険」と「厚生年金」が含まれます。
「保険」とは
「怪我も病気もしていないのに、なんで保険料を取られるの?」と思う人もいるかもしれません。
社会保険の正体は「むみんなで作る、超大型の助け合いシステム」です。
- 健康保険
病院に行ったとき、私たちが窓口で支払うお金は、実際にかかった医療費の「3割」です。3割で済むのは、みんなが日頃から保険料を出し合って医療費を支えているからです。もしこの仕組みがなかったら、風邪で病院に行くだけで数万円なんてことになるかもしれません。 - 厚生年金
年をとってお金が稼げなくなったときや、大きな障害を負ってしまったときに、毎月生活費を受け取るための仕組みです。
アルバイトでも、働く時間や契約内容によっては、この社会保険への加入が義務付けられます。
目先の手取り額は減ってしまいますが、その分だけ病気や将来のトラブルに対する「備え」を手に入れていることになります。
「税金」と「社会保険」の違い
ふたつとも給料から引かれるお金ですが、その役割には決定的な違いがあります。
| 項目 | 税金(所得税など) | 社会保険料(健康保険・年金など) |
| イメージ | 社会を維持するための「会費」 | トラブルに備える「助け合い貯金」 |
| 使い道 | 警察・消防・道路・公園など全員のため | 病院代の割引・将来の年金など自分のため |
| 返ってくるか | 直接お金としては戻らない | 病気や老後に「給付」として戻ってくる |
最後に
給料明細からお金が引かれているのを見たとき、ただ「引かれて悲しい」と思うだけで終わらせないでください。
あなたが働いて引かれた数百円、数千円のお金は、巡り巡ってあなたが普段使っている道路になり、夜道を照らす街灯になり、風邪をひいたときに安く診てもらえる安心になっています。
そして同時に、国や自治体が「集めた税金を正しく使っているか?」をチェックする視点(選挙やニュースへの関心)を持つことが、一人前の社会人としての第一歩になります。
今すぐできる3つのアクション
- 給料明細の「控除(こうじょ)」欄を見てみよう
アルバイトなどをしている人は、明細の「控除」という欄にどんな項目と金額が書かれているか確認してみましょう。 - 自分の「手取り率」を計算してみよう
「手取り額 ÷ 総支給額 × 100」を計算して、働いたお金の何%が手元に残っているか知っておきましょう。 - レシートの「消費税」をチェック
買い物をしたときのレシートを見て「自分は今日、いくら社会に会費を払ったかを意識してみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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