今日の日経平均株価の終値は、前日比2,675円96銭高の5万3,739円68銭となりました。 この株価の急上昇を目の当たりにして、私はある一節を思い出しました。
「稲妻が輝く瞬間に、市場に居合わせなければならない」
チャールズ・エリスの名著『敗者のゲーム』で説かれる有名な一文です。まさに今日「稲妻が輝く瞬間」が現実となったのではないでしょうか。
2026年4月1日、何が起きたのか?
今日の東京株式市場は、プライム銘柄の9割以上が上昇する展開となりました。上昇の最大の要因は、市場の重石となっていた中東情勢の緊迫化が和らぐとの期待感が急浮上したことです。
前日の米国市場で不透明感が払拭された流れを引き継ぎ、朝方からハイテク株を中心に大きな買い戻しが入りました。
結果として、日経平均の上げ幅は2,675円96銭。 これは、日本株の長い歴史の中でも歴代4位となる記録的な上昇幅です。
歴代の日経平均・上昇幅ランキング
| 順位 | 年月日 | 日経平均終値 | 上昇幅 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2024.08.06 | 34,675.46円 | 3,217.04円 | 「令和のブラックマンデー」直後の歴史的な買い戻しが殺到した日です |
| 2 | 2025.04.10 | 34,609.00円 | 2,894.97円 | 「トランプ関税ショック」後の不透明感の払拭による買い |
| 3 | 1990.10.02 | 22,898.41円 | 2,676.55円 | バブル崩壊局面での一時的な急反発 |
| 4 | 2026.04.01 | 53,739.68円 | 2,675.96円 | 中東情勢の緊張緩和(今回の上昇) |
| 5 | 2025.10.06 | 47,944.76円 | 2,175.26円 | 自民党の新総裁に高市氏選出による積極財政政策への期待感と円安の進行 |
※上昇率で見ると5.24%となり、過去の上昇率20位以内にも入っていません
「稲妻が輝く瞬間」とは
投資の世界には「稲妻が輝く瞬間」という言葉があります。 これは相場が急上昇する、ごく短期間のタイミングを指します。
長期投資においてリターンの大部分は、全期間の中のわずかな「急騰日」に集中しています。もし、そのわずか数日間にたまたま市場から離れていたとしたら、私たちの運用成績はどうなるでしょうか。
過去のデータが示す残酷な真実
S&P500指数を用いた過去75年間の分析によると、株式リターンの大部分は、900ヶ月という長期間のうちのわずか「ベストな60ヶ月(全体の約7%)」に達成されているといいます。
さらに、1980年から2008年までの28年間で見ると、その傾向はより顕著です。
- ずっと保有し続けた場合
- 年間収益率 11.1%
- ベスト10日を逃すと
- 年間収益率 8.6%
- ベスト20日を逃すと
- 年間収益率 6.9%
- ベスト30日を逃すと
- 年間収益率 5.5%
わずか30日間を逃すだけで、リターンは半分以下になってしまいます。30年という複利の年月をかければ、最終的な資産額には4倍以上の開きが出る計算です。つまり、「稲妻が輝く瞬間を逃すことは、二世代にわたる蓄積を失うこと」と同義なのです。
例えば、100万円を11.1%で運用できれば30年後に2300万円になりますが、ベストな日を逃して5.5%になると500万円にしかなりません。この「1800万円の差」は、一人の人間が一生かけて必死に節約して作れる金額の限界に近く、一世代分の努力が文字通り「無」に帰してしまうのです。
なぜ「稲妻が輝く瞬間」を逃してしまうのか
これほど重要な「稲妻が輝く瞬間」ですが、多くの投資家がこれを逃してしまいます。なぜなら、稲妻は決まって「暗雲が立ち込めている時」に輝くからです。
記憶に新しい2020年3月のコロナショック、そして昨年の2025年4月に起きたトランプ関税ショック。市場が恐怖に包まれ、誰もが「一旦売って、落ち着いてから買い直そう」と考えるような大暴落の直後に、最大の反発「稲妻が輝く瞬間」は訪れます。
底値で売ってしまい、上昇に転じたのを確認してから買い直そうとしても、稲妻のスピードには追いつけません。気づいた時には、すでに株価は大きく上昇して、リターンの大部分は「市場に居続けた忍耐強い投資家」の手に渡った後なのです。
学ぶべきこと
今日のような歴史的な上昇を前にして、私たちが学ぶべきことは「次にいつ稲妻が来るかを予想すること」ではありません。
「いつ稲妻が輝いてもいいように、常に市場に居座り続ける」
この単純で、しかし最も困難なルールを守ることです。 私たちが日々行っている、淡々とし積立や、暴落時の忍耐は、すべて今日のような「稲妻が輝く瞬間」を逃さないための準備に他なりません。
投資は、予測することではなく、耐えることです。 市場から退場せず、自分自身のルールを守り保有し続ける。その退屈な時間の積み重ねの先に、今日のような輝かしい瞬間が待っています。
最後に
最近の相場は場中の値幅が1,000円以上になるような日も少なくなく、非常に不安定な値動きが続いています。
このような相場であっても一喜一憂することなく、市場に居続けなければいけないのですが、難しいですよね。
このようなとき、私は自分の「精神力」だけを頼りにしていません。YouTubeやネット等で、握力が高まるような、ポジティブな情報だけを見るようにしています。
ここで紹介している投資の手法や銘柄などは私自身が実際に行っているものであり読者の皆様に推奨しているわけではありません。投資については自己責任でお願いします。紹介している数値なども細心の注意を払っていますが誤っている可能性がありますのでご自身でも確認することをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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